ブログ
Blog
2022.11.24
もっと早く挑戦しておけば良かった!BIMでパース作成に挑戦
こんにちは。NDC設計の齊藤です。
まず、こちらを御覧くださいませ。
これ、私が作ったんです!凄くないですか?←
何がって、私じゃなくて、この作成に使ったARCHICADが!
さらにすごいと思ったのが、仕上で使っているツインモーションっていうソフトも凄い!!
当たり前のように使われている方にとっては、何言ってるの?なんですが、
私は知らなかったんです!
このようなソフトがあって、このようなパースが出来るということを!
こちらは、アーキCAD(Graphisoft社)で3D図面化したものを、ツインモーションというソフトで仕上げています。
まだまだな部分も多々ございますが、導入したのは今年の9月上旬頃で、上記のパースは、導入後2か月もかかっていない時のものです。
今日は、BIMって難しそうだから導入すら考えてなかったけど、将来的に気になるなぁって方や、
パース作成は外部委託しているが、社内で作りたいと思っている方などの、ご参考になればと思います。
後半に、弊社が導入後、アーキCAD+ツインモーションでどのようなパースを作っているか載せているので、宜しければそちらもご参照ください。
BIM(ビム)って何?
BIMとは、Building Information Modelingの略で、
コンピュータ上に作成した主に三次元の形状情報に加え、室などの名称・面積・材料・部材の仕様・性能、仕上げなど、
建築物の属性情報を併せ持つ建築物情報モデルを構築するもののことをいいます。BY国土交通省
ようは、今までのように図面を作成していく段階で、その図面に全ての情報を全部のせができ、それをする事で、構造や設備等との連携や積算も出来て、
設計、施工、完成後の維持管理までをも、データ管理により実現できるというものです。
国土交通省も、令和5年度には、小規模を除く公共工事における、BIMの原則適用に向けて段階的に進んでいる状況があり、
今後、一般の建築物にもこのBIMの利用は促進されていくんだろうなぁと思います。
弊社の導入のきっかけ
上記の流れもあって、ここ数年、BIMの必要性を肌で感じる事が更に多くなり、現場では3D図面を見ることも当たり前になってきました。
スーパーゼネコンは、もう何年も前からBIMは当たり前の世界線で進んでいますよね。
弊社としても、そういった進んでいく建築業界の流れについていきたいという思いと、
あともう一つ、こういった思いがありました。
『いつも委託しているパースがNDCで作れたら良いよね』
弊社は、パースはいつも、昔からお世話になっているパース屋さんに委託をしておりました。委託の理由は効率です。
さまざまな案件が同時に進んでいく中、決まった期日内に、パースをあげていただける事や、プロにお願いするので、
絶対的に確実なものが上がってくる安心感というか、あとはそれ以外の選択肢を考えた事が無かったというのもあるかもしれません。
しかしながら、もっと内観や外観について、気軽に、そして、平面図で説明するように、パースで説明をしたいという代表の思いもあって、
ある日、実際にパースを社内で書かれている別の設計事務所さんへ見学に行かせてもらいました。
そちらで見せてもらったパースや作成画面を見てビックリ!
木は風で動いているし、色合いや質感も、竣工写真を見ているかのようで、あまりにもリアル過ぎて本当にビックリしました。
その事務所さんが、アーキCAD+ツインモーションでパースを作成しており、操作性や、実際に作成している図面等を見せていただいたり、
作成している画面を見せていただいたりして、私の中のBIMのイメージが大きく変わりました。というのも、BIMってたくさんの入力とか必要で大変やって思っていたからです。
実際は、ピコピコピッピって3Dになっていくし、マテリアルも秒で変わっていく。
そういった実務の現場を見れて、これなら弊社でもできそう!と思えた事や、このようにして弊社もパースを作って行きたい!という思いが現実的に考えられたことで、導入することを決定しました。
導入する前に、リアルに使っている事務所さんを見学できたのはかなり良かったと思います。
BIMって難しいんじゃないの?
私もそう思っていました!上記の見学に行くまでは。
今までも、BIMは大変。など、そういった情報があり、BIM導入のご提案を頂いていても、弊社ではまだ時期尚早といつも見送っておりました。。。
というか、BIMってバカ難しいとか、入力に時間がかかるとか、そういった情報しか私には入ってなかったんですね。。。(トホホ)
ただ、あながちその情報は間違っていなくて。
そこには、このセリフが続きます。
『積算とか、見積とかそういう本チャンの使い方をするには』
ようは、スーゼネさんのように、というか本来のBIMの使い方をするには、それは最初ってめちゃくちゃ大変だと思います。
しかし!
今回の弊社のように、まずは、パース作成のみを目的にBIMを触った齊藤の感想は、
なーーーんだ!簡単やん!←(すんんごく難しいのを想像し過ぎていた高低差もあると思います笑)
そうなんです。“パースのためだけ”の入力をすれば良いので、私が盲目的に感じていた、
BIMって大変そうー
大手さんがやるやつだよねー
難しそうーというのは単なる幻想でした。(目的によります!笑)
パース屋さんに頼むより良いやん!と思った部分とやっぱりプロ凄いって思った部分
【メリット】
『さまざまなカット、画角設定、修正し放題』
パース屋さんは1カットでいくらと言ったように、費用も決して安いわけではありません。ちょっとした修正でしたら対応いただけたりするのですが、
大幅な変更等がある場合は、当たり前ですが、また別途費用となります。
それに比べ、社内で作成しているので、画角も選び放題、カット数も取り放題。
四季も選べたり、時間も選べたりするんです。私は、どうしても夕焼けのカットを作りたくなり、作っては、一人デスクでエモーーイと叫んでいます。笑
更に実は、動画も簡単に作れてしまうんです。。。!(下記動画参照ください♪音も出ます♪)
ドローンで撮影しているかのように、外観周りを周遊したり!
そのまま、室内に入って内装も見せれたりすることも出来ちゃいますね!(まだ未挑戦)
『納期が数日でいける。』
画角やカット数も決めるのも全て社内なので、弊社のように小規模な事務所は、そこらへん秒で決まります。また不明点があった場合も、その場で確認が出来て、
ボール待ちの状態にならないため、パース屋さんに頼んでいた時にかかっていた期間よりは、短い期間で作成し提出することが可能となりました。
『平面図ではわかりにくいスケール感がわかる!(平面図作成時には気付けない事に気付ける)』
これは、パース屋さんに頼むより良い事という主題から少しズレてしまうのですが、自分で3D図面を作成していると、2D平面図を作っている時には気付けなかった事に気付きやすいなぁと思いました。
すっごく当たり前の事を言っていて、本当に恐縮なんですが笑、作成していて、全てが立体的に見れるので、平面図を2Dで書き進めている時には感じられないスケール感や、
3Dでイメージがついていくので、例えば、駐車スペース近くにスロープを設置した際に、車も配置してみて、基本の動線プラス、荷下ろしスペースも考慮しないとなぁと気付けたり、
内装の折り上げ天井部の納まりについては、影の出来方の違いによる天井の見え方が確認出来るので、もっと折り上げ部を深くしたいなぁ等々の検討が出来たりするのです。
逆に今まで、立体的になるものをまず2Dで書くという、すんごくレベルの高い難しい事をしてたなって思えるくらい、文明の力を感じました。
立体的にどんどんなっていく感覚に、めちゃくちゃ感動しました。
【やっぱりプロ凄いって部分】
『印刷物としたとき、画質に限界がある。』
導入するパソコンの容量や、レンダリングソフト、あと印刷機によるこの部分は、やはり、弊社の一般複合機で印刷なんぞすると、PC画面で見るより画質が落ちるし、
やっぱりいつもいただくパース屋さんの成果物ってめちゃくちゃ綺麗です。パースは、額縁に入れて飾られるお客様もいらっしゃるので、
しっかり綺麗なものを印刷したいので、ここは弊社も今必死に健闘中であります。
『細かい所までしっかり書いてある。』
これも当たりまえの事かもなんですが、鉄骨金物のボルトや、少しだけ見える部分とか、細かい所まで書かれているなぁと思います。
また、私がパースに初挑戦した時、自分の担当以外の案件を、インプットしながら進めていくのですが、初見の図面の見落としの多かったこと笑(私の問題)。
まず、図面読み取り力とその速さがプロの方とは違うだろうなぁと思いました。
また、3Dのメーカー部材や3D業界の情報が初心者の私はまだまだ疎いので、調べたり聞いたりと、そこにも時間が掛かっています。きっとこの部材、3Dであるはずなのに、探しきれない。。。等々。
無い時は、作っていくのですが、クオリティがまだまだなのと、まだまだ時間がかかってしまっています。(日々精進ですね!)
どうしても、わからない所は、有識者に聞く!
今回、初めて導入した時、まずYouTubeで、グラフィソフト社が出している、6時間でアーキCADの基本を学べるってやつを、一通りやりました。
基本操作はこれで学べると思います!線を引くとか、建具を入れるとか♪
その後に、よし!内観パースを作ってみよう♪と挑戦しました。
上記のYouTubeで習った、出来る事からやっていきます。←今振り返ると、梁とか柱とか見えない所を入力しまくっていて、後で消す事になります笑
進めていくのですが、造作家具とかどうやって作るんだろう・・・
モザイクタイルの柄ってどうやって表現するんだろう・・・
マージする、マージしないって何!?といった具合で、さまざまなハテナが出てきます。
今の時代、本当にありがたいことに、調べれば、ソフト会社公式の動画や、沢山の有力な情報がYouTubeや誰かのブログ等で発信されており、大変勉強させていただきました。
しかし、実際に実務で内観パースを書かれている方は、どうされているのか(見えない所は入力してないよね?などの素朴な疑問)等を普通に聞きたいなぁと思い、
導入前に見学させていただいた設計事務所の方に、1日来ていただき、レクチャーをしていただきました。
そこで初めて、レイヤーの概念を知ったり、その時やりたかった事や疑問に全て答えていただき、たくさんご教授いただきました。
本当にありがとうございました。
あのレクチャーがあったから、私は大きな一歩前進が出来たと思っています!
上記以外にも、グラフィソフト社さんが開催されているセミナーに参加したりし、日々勉強やなぁと感じております。
なので、どうしてもわからない!、調べてもわからない!状態で、前に進まなくなってしまったら、ソフトメーカーに問い合わせをしたり、セミナーを受けてみたり、
実務で実際にやられている方にご教授いただいたりと、何かしらのアクションをくり返す事が大切だと思います。
わからないまま放置しない事。せっかく挑戦して向き合っているのですから♪
新しい出会いと情報共有の大切さ
今回、教えていただいた設計事務所のレクチャーしていただいた方との出会いは、私個人的にも嬉しく、本当に感謝しています。
今でも、何か新しい発見や、出来ることが増える度にその方にご報告したり、自分のわからない事が解決した解決記録等を共有したりしています。
こういった横の繋がりがどんどん増える事は、お互いのレベルアップに繋がるし、すごく良い事だなぁと私は考えています。
実際は、案件の守秘義務等があるため、なんでもかんでも共有というのは厳しいのかもしれないですが、社内だけにとどまらず、
今回のような技術的な事や、新しい建築材料の情報や、法規的な対応履歴等などの情報を共有するのは、とても大切だと思いました。
この建築業界は、業界で言うとかなり大きな規模ですが、
建築業界で働きたい♪という人は、年々減少傾向にあるのが現状だそうです。
ただ建築設計という世界で言うと、2020年の法改正もあり、建築系の学校卒業後すぐに1級建築士を受験可能な世界線になったことで、若い建築士が今後増えていく!はず!です。
先日、宅建試験を調べてビックリしたんですが、宅建試験の受験者数は、2022年10月試験で、22万人だったようです。
1級建築士の受験者数は、2022年で約3万人です。(少な!)
建築設計というものがすんごい小さい世界だなぁとビックリしたのと同時に、小さいからこそ横の繋がりや情報共有(オープンソース化)を進めていく意味がおおいにあるなぁと改めて感じました。
まとめ
パースを自分で書くようになって、気付いた事としては、人はイメージ出来ないものに、抵抗を感じやすいんだなぁと。
わからないものに対して否定的になりやすいんだぁとわかりました。
というのも、今までは難しいと勝手に思っていて避けていたアーキCAD(イメージ出来ていなかった)を、実際に見学をさせてもらって、
これなら出来るかも!?と思えたことがポイントだったなぁと、
こうやって、パースを社内で作成出来るようになった今思います。
それは、パースの提案時にも同じ事が言えて、
内観パースのご提案で、口頭だけでご説明をした際に否定的だった方が、実際のパースを見せると、コロっと意見が変わる事が多々あるからです。
また、お客様よりご要望いただいたが、それは少しオススメ出来ないよなぁと思った内容でも、パースにすると、なんか変やね!という風に気付かれて、
お互いの頭の中のイメージのすり合わせもスムーズに可能となりますよね!
あと、もう一つ。
今、このブログを読んでくださっている方もしかり、常に進んでいく業界の情報等を得ていこうというそもそもの姿勢やマインドも大切なのかもしれません。
パースは、設計者のイメージをお客様に、より分かりやすく伝えるためのツールであり、お客様の大切な資産となる建物のイメージがつくことでの安心感の材料ともなるものだと思っているので、
それらが気軽に、高頻度で作成できる事は、良い事しかないように思います。
これからも日々精進し、もっと精度がいいものを作成できるように頑張ります♪
最後にこれまでに作成したパースを載せます。
どうか温かい目で見えて頂ければ幸いです。。。
この記事を書いた人 : 齊藤 美香
入社13年目の齊藤です。
2021年1級建築士取得
インテリア業務やプレゼン資料作成が得意です♪
現在はBIMにてパース作成に奮闘中。